6月議会の質問・タバコに関して

17・6質問参考

まず、タバコについて質問しようと思ったきっかけを申し上げる。この冬、職員食堂の前の喫煙場所で次長のお一人に声掛けした。寒い中でブルブル震えてタバコを吸っておられた。こんな場所でタバコを吸っていては、タバコを吸って体を壊し、寒さでさらに体を壊す。私は前々から極端な嫌煙風潮に疑問を感じていた。こんなことで良いのだろうか、喫煙者は必要以上に虐げられているのではないか、何とかしなくてはいけないのではないかとの思いに至ったわけである。

話しの前提として私の考える大方の方が賛同できる共通認識的なものを3点。  まず、受動喫煙の害を否定しているわけではない。私が行った200人アンケートによると「家族の前でも吸う」という方が、全喫煙者49人中6人おられた。これは、殊に子どもの側で常時喫煙するということは許せない行為、児童虐待と同等に批判されるべきものと思う。49人中6人のという数字を全国ベースに置き換えるとJT調査の数字を参照すれば約250万人の方が児童虐待まがいの行為を行っているということ。これは国をあげて追放しなければならない運動と思う。二番目に200人アンケートでタバコをやめたという44人中、42人までがやめて良かったと言っていること。やめるに越したことはないという受け止め方を、私はしている。しかしながら、3として喫煙者49人中39人はストレス解消の役にたっているとの認識であること。タバコの効用は無視できないものと思う。

いくつかの視点でタバコを考えたい。                    ます、タバコの健康被害について。 厚生書の2014年版のタバコ白書によれば、14年中、受動喫煙で24万人が病気になり、15千人が死亡している。タバコ害治療に3200億円余りの医療費がかかっており肺ガンや脳卒中になる確率は1.3倍増すとしている。また、能動喫煙による死亡者が年間13万人と推計されているとのことである。                                                                 受動喫煙とは1カ月の間で一回でもタバコの煙に接したケースをいうそうだが、そんな、つまり常時受動の場合と、時折の受動の違いはどの程度あるのであろうかと思ってしまう。                                     心理学者、梅原大吾から聞いた話。人は酒を飲むのをやめて、タバコを吸うのをやめて、受動喫煙を避けて、健康的な食生活を行い、毎日適度な運動を続けることで4年強長生きできる。一方、ストレスを貯めない、解消する努力を続けると、酒を飲もうと、タバコを吸おうと7.6年長生きできる…そんな主張であった。   この4年と7.6年との違い、タバコばかりが健康被害ではないという主張を皆様は納得されるか。納得されない方も多いと思う。同様、15千人の方が受動喫煙が原因で亡くなられた、少なくとも受動喫煙が主因で亡くなられたという厚生省発表を私は納得できずにいるのである。                                                                             

なぜ、今受動喫煙がこれほど問題になってきたのか不思議に思っている。まず、能動喫煙者について、戦後、昭和50年ごろまでは、男性のタバコ吸いは80%に達していたと聞く。その時代を思い出していただきたい。1.工場のばい煙は何のこだわりもなく容赦なく降りそそぐ  、2.食品添加物の規制もゆるく、期限表示もなく少々腐ってももったいないと食べる、3.アスベスト等の有害資材も知らなかったので平気であった  、4.サービス残業なんか問題視もされず、誰もが朝から晩までモーレツに働いていた、5.そんな中で、フィールターなしのタバコを吸ってなんとも思わなかった ・・・ その後4~50年、80%の能動喫煙の方は若くしてバタバタ早死にしてきたか。タバコが厚生省のいうように圧倒的な毒物であるのかどうか…タバコはほんとうに有毒なのか、ストレス解消効果という面とのバランスはどうなのか・・・国をあげて納得する答えをだしてて欲しいと思う。

2番目に、喫煙者を悪者視する世間の流れについて。                                               中国新聞の平井という論説委員は、受動喫煙防止対策が国会で進んでいないことに関連して「与党の国会議員がブレーキをかけているのがまったく理解しがたい、自民党がまとめたは厚労省案を大きく後退させるもので唖然とした」書いている。200人のアンケート中では「現状は甘い、もっと喫煙場所限って、煙が衣服まとわりつかない仕組みを作って欲しい」と強く主張された方が3人おられた。   しかし、私は、これらの自己主張に疑問を持つのである。           その平井論説委員が冒頭に書いている文章を紹介する。               父はヘビースモーカーだった。私は幼い頃よく「ピース」を近くのタバコ店に買いに行かされた。でも、店のおばちゃんに可愛がってもらったし、父は時々、ドーナツ型の煙を口からだしてくれて楽しかった・・・悠々とタバコをくもらす大黒柱である父親の膝の上に、安心しきって座っている幼子。日本中で観られた光景ではなかったか。断っておくが、この50歳を超えているとみられる論説委員が、幼児からの永年の受動喫煙で病気になったとはどこにも書いてない。         私はこのような流れのなかで、「おたがいさま」=寛容の精神が大事になると考える。私の行った200人アンケートでは、喫煙者の半分強が今の喫煙への差別の流れを致し方なしと容認し、遠慮しながらタバコを吸っている。また、タバコを吸わない人の半分は今のタバコ排除の風潮を行き過ぎだと感じている。日本人の美徳である「おたがいさま」の気持ちがあふれていると思わないか。                 私は国が嗜好品として認めている中で、また大人の20%が喫煙者という状況の中で、喫煙者の人権も守らねばならない、共生していく道をさぐることが重要だと考えている。                                                                       

3つめは国レベルの受動喫煙対応策で一言。                 分煙の適応が限られる中小の飲食店や宿泊施設は各店の選択を任せて良いのではと思う。店頭に「当店は禁煙です」「分煙です」「喫煙可です」と表示してお客様に選んでもらえれば良いのではないか。そんな機会だけで深刻な受動喫煙になるとは私は思えない。従業員の確保という要素を含めて、禁煙店舗と喫煙店舗とのどちらが生き残るかは、経済原則に委ねれば良いことで、今の時点で厚生省案のような規制をかけることは、業者の権利とそれ以上に利用者意志の尊重という観点で問題がないか。

4つめの視点。たばこ税収について。                    タバコ1本には60%以上の国税、地方税の税収があり、購入した市町に24%前後のたばこ税がおちるという点についての認識が薄い、200人アンケートにおいては30%程度の認知度合いであった。                   28年度、下松市では4兆円のたばこ税収入があった。大人一人あたりに換算すると山陽小野田市に続いて2番目という高位の状況にある。何もしなくてもこの数字(聞けば小野田も何もしていないそうである)。何かPRしてせめて山陽小野田市並みの一人当りのレベルを実現できれば今より20百万円の増収になる。    なお、タバコ税はそのままネット収入、管理や歳出事務に係る市の徴収事務負担はゼロなのである。こんな税は例が少ないのではないか。たばこ税の4億円は金額以上に価値が高い4億円になる。

最後の視点として行政が関わって欲しい4つ提案をする。           1は広報紙に「たばこ税の収入がこれほど多く、また徴収コストが低い」ということ、市外に出張、旅行に行く場合は買いだめをして欲しいことの2点を繰り返し市民の耳に届けることを行って欲しい。駅購買や笠戸島の観光施設にはタバコの種類が欠けることのないように備えてもらうように働きかけて欲しい…何か変わってこないか。

2は喫煙者税が払う全国ベースの購入額4兆円はJTだけでなくタバコの葉の製造業者、流通業者、全国63千店ある10%程度の販売マージン、そして60%を超える国税、県税、市町村税…国民が総出で負担している消費税と比較してその事務負担を比較しながら考えると、喫煙者の世の中への貢献度合いが無視できないと考える。喫煙者を支持する使命が行政側にありはしないか。喫煙擁護PRも必要ではないか。

3つめはタバコ関連業者の保護。コンビニでの販売業者も含めて小規模事業者ばかりであるが、島根、広島、山口の3県のタバコ販売組合連合会の加入業者数は、この10年間で7500軒から2800軒に3分の1に減少していると聞いた。3分の2はなくなったという事実。この10年間でこれほど激減した業種を私は知らない。

一方、下松市内に限っても、タバコという一商品の売上規模は約16億円、販売業者の利益は1億6千万円となる。市内でこれだけの販売市場をもつ商品がどの程度あろうか。中小企業の育成、振興を図るべき役割を担う行政が、この存在を無視して良いものか。タバコ忌避の流れはこのような面にしわ寄せがきていることを認識しても良いのではないか。

最後の4つめは行政が先頭にたっての分煙の推進策である。3点。

1.せめて公共施設だけは寒さに耐えられるきちんと整備された分煙室を作る必要がありはしないか。

2.もうひとつ、飲食店、宿泊施設等の分煙室設置に補助制度ができないか。店の外に灰皿だけを置いておくような対応では、お客様に選択されなくなる。整備された分煙室の設置は小規模業者の生き残り対策のひとつになる。「分煙室設置産業」という新たな事業が生まれるきっかけにもなる。

3.マンションやアパートのお隣喫煙対応は待ったなしではあるまいか。これは常時の受動喫煙と認定してもよい環境。なんとか隣同志で折り合いをつけてくれという状況で済むとは思えない。住宅業者に聞くと、ベランダにあらかじめ半坪程度の喫煙室を設置することは難しいらしい。そこで、入居後に簡易な喫煙コーナー(煙を吸い取る器具の設置)の設置のための行政からの補助ができないか。

以上3点、ほぼコストゼロで収入になるたばこ税収入の一部を使って、厚生省の言い分に添い、やや誇張した言い方をすれば、“命を削ってまで市町に貢献している喫煙者”対策として、行政はいくばくかの返礼をしても良いのではと考える。

以上、様々な面からタバコを論じてきた。キーワードは「おたがいさま」、共存ではなかろうか。