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正面の田舎家は私の実家です。裏山は栗山です

私の実家、山口県美祢市西厚保町(美祢西インター近くの村落)は「あつ栗」の名産地です。

50年近く前、郷土の英雄(…と私が評価している勇気ある先駆者の皆様)が村をあげて栗の植樹を奨励しました。

「もも栗3年、柿8年」と言いますが、とても3年なんかで実がなるようなことはありません。村中がこの熱く語る指導者の“夢”を信じて、山の雑木を切り、小道をつくり、苗を植えて、絶えず周辺の草刈りをし、かずらを除去して…10年待ちました。「辛抱」です。
指導者の高い志と村人の辛抱とが、今では岩国の「がんね(岩根?)栗」に匹敵する栗産地を生み出したのです。村おこしの典型的な成功例だと思います。 

私の両親は現在93才でほぼ幼児に戻ってはいますが、元気に下松市の老人ホームで二人一部屋で暮らしています。
両親はどんな思いで栗拾いを始めたのでしょうか。続けたのでしょうか。
今では私が栗山の草を刈って栗を拾っていますが、両親の辛抱を思うとき、簡単にはこの栗山を放棄できないなと…私も辛抱せざるを得ません。

おかげで“刀尽き矢折れ”…ひざは痛みを発し、腰は他人の腰状況で歩くのもままなりませんが、それでも私の65才の歳どころか、その後20年の後の85才の時でも私以上に草を刈り、一個一個腰をかがめて栗を拾っていた両親の辛抱を思うとき…自身にむち打たずにはおれません。 

美祢西インターのあたりを通られる際には、栗山を注目してください。そして勇気ある指導者と村人の辛抱に思いを馳せていただきたいのです。