今回は「住み続けたい」をテーマにし知恵を絞りましたが、途中から下松市の半端ない転入率に気づき、下松市の誇り=自慢話を市民に知らしめたいという方向になりました。文章もともかく、添付したデーターをお読みください。ただ、下松市以外に在住の方は面白くないかもしれません。
12月には、外向きのシティプロモーション、つまり他所に居住している人に向って、①買いたい、②訪れたい、③交流したい,④住みたいと進化していく方策について質問させていただいた。今回は内向きのシティプロモーション、つまり、現在下松市に住んでいる市民に⑤「いつまでも住み続けたい」と思っていただける施策に関して質問させていただく。
私は昨年末帰省した若い下松市出身者から『下松は相変わらずでしょうね』という言葉を耳にした。相変わらず・・・きっとその方の目からみれば下松市には、都会的なシャレて洗練された風土はない、よく言われる美術館も音楽堂もない、多くの若者は高校を出たらこの地を離れる、古くからの老人が居座っている・・・そんな街に映っているのであろう。
下松市がパーフェクトな街であるわけではない。足らない要素もたくさんある。しかし「相変わらずでしょうね」と見下された評価を受けることは看過できない。
私は、当市は国の政策が及びにくい地方都市としては、おだやかで温かく、活力に満ちた、誇りあふれる街であると自信をもって発信したい・・・とそう考える。 よく言われる「住みよさ中四国一」の実感がないという市民層に、すばらしい街だと実感してもらいたい・・・そう考える。 そのための対応策を行政にとってもらいたい・・・そのことが、内向きのシティプロモーション=シビックプライド醸成に必要な要素だと訴えたい。
当市が住み続けても良い、他市町に比べたら圧倒的に優位な街であることを、私なりに立証したい。 添付したA表は県内13市においてランキング可能な対象を指標内容が重複しないように生活関連38と財務関連32、計70項目ほど集めたもの。恣意的で絶対順位ではないことをお断りしておく。 しかし、これをみると、 ❶ランク3位までの合計は43項目で70項目は中60%を超える。また、11~13位のワースト3の数はわずかに9項目である ❷平均順位は4.3位で2位ランクの防府市との間に1.4位の大差がある ❸ランク1位の数も24項目と他市との差は歴然としている と県内他市比較では当市は一人勝ち状況にあるとみた。こんな街はほかにはない。 さらに、これをみていると、 ㊀市民はこのような優位のデーターを、この当市のすぐれた住環境を、どれだけ認知しているのか、㊁別のことばでいえば、市は市民にどう知らしめようとしてきたのか、㊂加えていえば、市民の誇り、シビックプライド醸成の努力はどう展開されてきたのか・・・を問いかけたいという思いにかられる。
一方、不良順位で取り上げたいのは、最近時の市議会議員選挙の投票率である。 14年46.5%、18年42.5%はいずれも県内ダントツの最下位。この数字は、市民の行政に対する愛着度合いに疑問をもってしまう低率であるといえるではないか。私は、この投票率の低さに注目し、ここに当市が対応すべき課題が内在していると考えた。
投票率の低い要因を様々考えるなかで、市外からの移住者が多いという事実に行き当たる。 B表7「くだまつし統計書」でこの25年間の人口移動をみると、転入者の合計はなんと63千人にのぼる。この中には、Uターンした方も、転入したがその後に再び転出した方もあろう。しかし、この25年間で63千人の転入者があったという数字は下松市の現人口57千人からみて半端ではない。 加えて、B表5、これは、15~17年の3年間の転入者数を人口で割った数字で転入率と表示しているが、下松市が学生の集まる山口市や、航空自衛隊新人隊員がまとまって着任する防府市など特殊要因がある街を含めても、山口県内一位なのである。 では、一体市民に占める他市町生まれの人口構成比はどれくらいか。市民アンケートなどを参考にすると、6割以上が他市町生まれの転入者ではないかと推定する。 転入者の多さは何に結びつくか。先の投票率だけでなく市政に様々な影響を及ぼしていることは間違いがない。
まず、転入者の比率の高さが影響するのは自治体への加入率ではないか。当市の加入率は80%を切っている。私は、この転入率の高さが、自治会加入世帯率の低率を、さらに投票率の低率を呼び、結果として、すべてではないにしても、市民のシビックプライドの弱さや行政離れに、何らかの影響を及ぼしているのではないかとの危惧をいだく。すべてではないにしてもである。 市の発信や施策の浸透などは、転入者の存在を意識し、これら市外出身者に寄り添う形の努力をしないと、浸透していかないことにならないか。
そこで、転入者に満足を得られる、さらに望めば「住み続けたい」と思わせるような仕組みを考えてみた。5件提案する。
1は潮騒を通じて当市の強みを強調すること。 市報「潮騒」に「わが市の自慢話し」のページを毎月1ページ作って欲しい。先ほど申し上げた70の項目・・・殊に、1位から3位の項目について、なぜこんな結果になるか、そのストロングポイントを判りやすく説明して欲しい。市民に「知らしめる」努力を行うことでシビックプライドを醸成して欲しいということ。
2は市報の全戸配布。 こうして強みを判りやすく説明するページを作っても、市報がいき渡らなくて絵に描いた餅。むしろ自治会に加入していない、つまり市報を目にしない市民にこそ読んでいただきたい内容・・・どうするか。そこで市報の全戸配布を検討したらどうか。費用は→郵便局に聞けば一戸30円×26000戸×12回≒年間900万円程度の負担になる。
3は行政から若い世代への接近の手段に関して。 転入者を含めた若い世代の中で、ボランティア、自治会活動、スポーツ団体や趣味のサークル・・・そんな会に無縁である方は多い。地域活動に参加してれば、大なり小なり行政に接触する機会があり、市政に関心もでてくるはず。そこで、大多数の若い世帯が参加できるサークルは何か考えてみた。子ども会、スポーツ少年団等を含めた父母会ではないか。この小学校から中学校の9年間に、ほとんどの親が参加する父母会を、単に子どもの教育環境充実だけを追求するサークルでなく、行政との接点つくりの要素が加えられないか。行政が父母会に積極的に接点をもって、市政の現状の説明や、市民活動参加への誘いを行うための仕組みつくりを作って欲しいと思う。
4は転入者への実のあるアプローチ。 転入者は毎年2500人前後。1000世帯くらい、この中には、純粋に初めて下松市で暮らすという方が大半になろう。知らない街での生活が始まるのである、聞きたいこと、確かめたいことはたくさんあると思われる。そんな転入者を一同に集めて「ようこそ下松市へ…下松市に住み続ける会」を開催してはどうか。 窓口での転入手続き時に『こんな会を開催するので集まって欲しい。福祉や学校の仕組みなどに関して、事前に聞きたいことを用意して参加して欲しい』とパンフを渡しておく。1週間に一度程度の開催でどうか。その時点で下松新参者としての悩みをまとまって聞くと同時に、行政側も自治会加入を勧めるほか、行政から望むこと、これだけは知っていて欲しいこと・・・そんなことを説明する場とする。そんな会が設けられないか。
5は様々な項目に県内一をめざす市民運動。 日本一を目指すと宣言したいが、このような地方都市では日本一は現実的でない。環境が似通った山口県内で一番を目指すことで十分。無理でない範囲で、市の数字を少しでもあげようという取り組みを市民運動として行う。 ここでは、現在の不良数字の改善率に的をしぼる→目標値を示して市民運動をする→そして、その目標への進捗度合いの数値を毎月市報に載せて市民に示す。 たとえばということで私が望むこと・・・住居表示実施率を県内一に、さきほどの選挙の投票率や自治会加入率の挽回率、ふるさと納税の伸び率、ごみ分別適正率の向上・・・これらの県内一をめざすのはどうか。こんな数字をあげていけば、住みよさがついてくることは確実と思う。
以上、市民にシビックプライドを醸成できる、「住みよさ」を実感できる、そして「住み続けたい」と思ってもらえる施策を主に広報的な手法を思いつくままあげてきた。
もちろん、これに限るわけではない。知恵をしぼれば様々な対応策がでてくると思う。次期計画の中で無理のない範囲で市民に「住み続けたい」という施策を発信して欲しいと思うが市長はどう思われるか。
・・・というものです。 この5つの提案のひとつくらいは取り上げて欲しいなあと思いながら・・・。