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2月議会の質問です

資料・10

今回は、

1は本市の20年の人口動態を総括し、今後にどう生かすかということ

2は自治体システム標準化に関して

3はマイナンバーカードの普及に関して

4は自治体公会計に関して

5は他市に真似る仕組みに関して

でありますが、3,4,5は国の借金財政改善に資するという観点ですが、今回の主張の一番は『マイナンバーカードの普及は行政のスリム化、税収増のための玉手箱』というものです。

長文ですから、よろしければお暇な方だけ。ただ、別紙Aは下松市の20年度の人口動態、ことにコロナの影響をどう受けているのかを示しております。いくらか参考になると思います。

1の人口動態。

別紙A表❶をご覧ください。最も注目されるのは、30人とはいえ人口が増加しているということです。内訳をみると出生者501人に対して死亡者は642人、差引き自然減は141人ですが、これを社会増171人でカバーしている構図になっています。その理由は何か。            市役所から半径4キロの平野に周辺市より安価な住宅地が供給できること、安定した基幹産業、市民のよそ者を排除しない温かさ、コンパクトシティとしての便利さ、これらに加え、市の総合力、市政の舵取りの確かさの反映であるという理由付けもできると思います。               人口動態は市の発展の命運を握る重要なファクターであると考えます。行政のどのような施策が人口増に効果があったかという観点で総括をいただきたい。また、コロナ禍で例年にない人口動態が窺えます。都会離れによる転入増はみられませんが、妊娠数の減少が目につきます。どう対応されますか。

 

2の前に国家財政に関して。

別紙、A表⓫は我が国の借金状況について示しています。今年はコロナ対策で赤字国債を90兆円近く増加発行し、借金は2次補正段階で1200兆円を超えています。今や我が国にプライマリーバランスという言葉は通用しなくなりました。

正月休み、真山仁作の「オペレーションZ」を読みました。国債は売られ、金利は上がり、物価上昇はとどまるところをしらない、行政はインフラ整備も福祉も衛生も放棄した・・・そのような未来像が示されています。そしてその中で繰り返して主張されているのは、政治家も国民も〝観てみぬふりをしていないか〟という投げかけであります。              現世代に生きる我々は、1200兆円の借金を次世代に残しても良いのか。手をこまねいて「知っていて知らないふりをして良いのか」ということであります。

そのような財政事情の中で、その打開策として、政府は3つの手法を自治体に促しております。

まず、2として自治体システムの標準化です。

国はデジタル庁を発足させて、業務の効率化を目指そうとしていますが、地方自体のシステムが各市町がバラバラであることでどれだけの損失を積み上げているのか、また、明治の町村制施行以来これまで統一化ができなかった理由は何であったのか・・・考え込んでしまいます。          しかし、本市は周辺5市町と共同クラウドを立ち上げており、共通システムのメリットは十分認識しておられると思います。政府は25年度末までの移行を目論んでいますが、25年度と言えばあと5年であります。この基幹システムの標準化の流れをどう受け止めているか、完全標準化が達成できれば、どのような省力化が可能とみているか、市長の見解をお伺いしたいと思います。

3はマイナンバーカードの普及です。

これには根強い反対意見があります。この12月28日の赤旗の社説にその反対意見が集約されていると考え、抜粋して紹介します。        ㊀個人情報の集中や国家による一元管理の危険が指摘されていること、㊁普及率はようやく23%(12月段階)・・・国民が必要性を感じていないこと、㊂個人情報漏洩の危惧があること、㊃デジタル機器を使いこなせない人は行政サービスから取り残される恐れがあること・・・等をあげて、結論として「急ぐ道理も必要もない」としています。

以上の指摘というか危惧はいずれももっともなものばかりと考えます。戦前日本の特高の存在や現在の中国の報道をみていると、このマイナンバーの普及には、国家統制や情報管理をさせないという国民の強い合意が必要になるということ、また、犯罪対策としては厳罰を含めて発生防止の法律を定めること、デジタル弱者に対する対応は特別な仕組みが必要であること・・・これらは絶対的な要件であることは疑いもありません。私もそれを望みます。ただ、国民が必要性を感じていないという表現には抵抗があります。国民に必要性を理解させていないという表現が正しいのではないでしょうか。  このような疑念のある中でも、私はそれでも国家100年の計でマイナンバーを100%普及させて欲しいと強く訴えたいと思います。

マイナンバーには3つの要素があります。

ひとつは国民の生活が便利になること。免許書も健康保険証も指紋認証も銀行カードもひとつになれば我々年寄りは大歓迎ですし、病歴が内包された共同カルテができれば、ワクチンの接種手続きも素早くできますし、病院初診時の問診も時間が短縮されるというものでしょう。夫婦別姓や旧姓表記、通称名もカード一枚で身分証明が素早くできることになります。生活弱者の証明がカードを提示すことで手短に完結すれば、どれだけ各現場での待ち時間が短縮されるでしょうか。印鑑証明、戸籍謄本、住民票等は不要になるかもしれません。申告やふるさと納税もデジタル化できるでありましょう。ナイナンバーは国民には必要なのです。

ふたつめは、国民が便利になることの裏側に、行政の業務のスリム化があります。共同カルテが進めば、レントゲンや薬剤投与、病歴把握が即座に認識できることで、医療現場での重複診療がなくなり、ひいては医療費、薬剤費は相当な圧縮が図れるでしょう。各種証明が短時間で済むということは、確認する側の処理負担も軽減できると云うことになります。市においても、国民保健税制、市民課窓口、さらに所得制限を設けて支援する業務には大幅な省力化ができませんか。私は、最もマイナンバーがその価値を発揮するのはこの国や地方公共団体の業務の省力化がもたらす財政改善であると思っています。

みっつは、富裕層の所得状況や財産の在り高がガラス張りになるということです。これまで見過ごされていた収支の把握が進み、所得税、相続税の税逃れが防止できます。さらに、私個人の思いとすれば、財政改善のために対応が絶対だと思っている、金融財産税、いわゆる富裕税制に踏み込むことが可能になります。相当な税収増による財政が改善が期待できます。

私は、マイナンバーは国や地方の財政の改善の玉手箱と思っております。大声をあげて早期の加入率100%を達成しようと訴えたい思いなのです。疑問を持たれる国民に納得を得て、100%普及により様々な機能を発揮する世界を早期につくっていかなければなりません。質問の機会をいただいてこうして市民に訴えるとともに、本市の日本で最速100%普及達成に向かっての行政の努力を求めます。

次に4の公会計の導入です。

行政は市民に現時点の財務状況を正しく伝える義務がある。それが、単式簿記、現金主義の現在の財務手法では、正確な説明に限界がある。そこで、政府は複式簿記で発生主義に基づく公会計制度への移行を模索しています。

B表をご覧ください…⓭において、本市の公会計手法の基づく財務書類を3年間並べてみました。⓯表では、県内他市の18年度公会計決算の比較をしております。また、⓰表は、私なりに判りやすいと思う指標を比較すれば、各市の財政運営の巧拙がある程度浮き彫りになると考えて勝手に抽出した項目です。しかし、私は、このB表の⓭をみても⓯⓰をみても、本市における財政状況の把握、そしてその数値が他市と比較してどうなのか、何も腹に落ちてこないのです。確かに、現状の会計制度には問題があるかもしれない、しかし、この公会計制度が私には判りやすいとはとても思えない。ごく一握りの市民の理解を得るために、このような手法が必要かどうかも疑問を感じることになりました。市長はこの公会計の導入メリットをどう考えておられるか、また、そのスケジュールをどう設定しているか、そして新しく見えてくるものをどう考えているか、教えていただきたい。

最後に5「他市に学ぶ仕組みつくり」。

今回、恋路の体育館のネーミングライツに踏み込まれました。このネーミングライツという制度ですが、17年前から始まったようです。周南市でキリンビバレッジと命名されてから10年以上たちます。そのような中で、この本市体育館の命名権付与の動きが、ここまで遅れた理由は何か、これまでどのような議論が交わされてきたのかという総括はされておられますでしょうか。

問いかけます。庁内には、㊀他市町が始めた施策や事業の情報をキャッチすることを業務とする特定した仕組みがありますか、㊁他市の施策を、本市で取り入れようとすれば、どのようなメリット、デメリットがあるかを議論する仕組みがありますか、㊂そして、その検討結果を、市長のもとまで報告するという定められた仕組みがありますか。

下松市がはじめて対応する事業、いわば〝下松モデル〟というものは、実行に移すまでには法的な整備も含めて、相当以上のエネルギーが必要になります。しかし、他市に真似る事業は対応のエネルギーがずいぶん少なくて済みます。また、先行自治体の悩み、試行錯誤、失敗例等も学べます。

そのことを本市に持ち込む場合の様々なシュミレーションを行い、問題点を課長補佐クラス以下の若手が意見を言い合う定例会を作っておれば、その上でその意見を市長に上申する、そのような仕組みをつくっておれば・・・このネーミングライツがここまで遅れることはなかったのではないかと思うのです。

他市町を真似る対象の一番はふるさと納税でありましょう。新周南新聞社の1月22日の記事、ふるさと納税の出が96百万円で、入りの19倍という刺激的な記事をみました。が 、県税分を除いた市税だけの出は20年度44百万円、交付税の仕組みにおける理論値の市の負担額は11百万円・・・庁内にはそこまで深刻ではないという観方もあろうが、私は深刻に受け止めています。よくぞ記事にして市民に知らしめていただいたと思っています。

この対応策は、私が主張してきたように、『他市にふるさと納税を止めて欲しい』と市民に訴える次元を越えてきました。ふるさと納税収入を増やそうと他市情報を収集して知恵を出し合うことは急務です。         アンテナをはって他市町に参考になる事例を掴もうとしておられますか、他市町を真似る仕組み、成功事例、失敗事例を収集する仕組みをどう作っているか。教えてください。

以上・・・どう聞かれますか。感想をお寄せください。