9月議会で質問しました①住みよさランキング30位に誇りと自信を持とう

17・9・参考

最近読んだJR九州社長の記事を紹介する。                                                                                    『地域を元気にするということの本質は何か。地域が賑わうとか経済力が増すというのは副次的なものであり、まずは地域の人たちが自分たちの地域に誇りと自信を持つ。そうすれば観光客数と新規移住という結果は必ずついてくる。』     自分たちの地域に誇りと自信をもつ。これが街づくりの出発点。合点する。   今回はそんな思いをベースにおいて3つの質問を申し上げる。

まず、東洋経済新報社発表の「17年版住みよさランキング」について。このランキングから見えてくるものは何か。

このランキングはあまたある実績数値の中で15指標のみ取り上げ都市比較したもの。これだけで普遍的な順位が示されるというのは無理があろう。しかし、それぞれの市の実態、強みや弱みをこのランク付けが示唆してくれるものは多いと思って取り上げるもの。

今年度発表では順位が18位から30位に大きく後退している。ランクダウンの理由は大きくふたつ。                            まず、当市の人口増が逆作用したこと。A表網かけのとおり、対象15指標のうち人口や世帯が分母になっているものが10項目もある。全国の多くの都市が人口減少するなかでが分子の数値に変化がなくても自然にランクダウンになるというつらさがある。

次に、前年度から大きくランクダウンした指標が三っつある。ここが当市の問題点になる。                                  まず、②の介護施設。これは本指標の取り上げの対象老人施設に偏りがあり、当市のように地域密着型施設を重点にした対応がカウントされないという不利な要素がある上に、周辺市施設の利用もあってランク452位というほどの切実感はなく折り合いがついているといえるかもしれない。しかし、この順位は来年以降も改善されることはあるまい。

④の保育所関連、もともと順位が低い上に、昨今の保育需要増加に対応が追いつかず49位もランクダウンして759位と全国最下位、最低レベルにある。当市の最大の課題を浮き彫りにしていないか。担当部は努力しておられるが、来年度一気にランクアップは難しいであろう。                      理由をさぐると、別紙C表をみると②の4才までの幼児の全人口構成比も、③の婚姻件数も、④の出生率も、⑤の有配偶者の比率でも、当市はすべてが県内一位という保育環境にある。追いかけても追いかけても追いつかないという状況にあることをこんな基礎数値が示している。県下一保育要請の強い当市の中にあって、ご苦労なことではあるが、一層のご努力をお願いしたい、当市の課題は、また住みよさのランクアップはこの保育の指標にかかっている。

⑩の住宅着工件数であるが、対象集計年度が消費税がらみで大幅変動した影響をまともに受けたためで、来期以降順位反転は間違いないと考える。

以上に加えて当市ランクが下位であり、基本的に劣っているという指標が4つ。 都市公園面積…これは565位にランクされるほど真に公園が不足しているのか、それとも一定の折り合いがついていると観てよいのか。充実の方策はあるのか、ランクアップが期待できるのか判断がつかない。

最後の住宅水準充実度の持家比率と一世帯当りの床面積。この指標は社会人口増の都市では改善が難しいと考え、下位に甘んじること致し方なしと考え無視したい。しかしながら、安くて良好な住宅宅地の創出は行政の役割として重要と考える。山田地区の開発や調整区域の見直し、空き家住宅対応、三世帯住宅の推進等への思い切った施策は、次の賑わいのために必ず必要になってくると思うが、別の機会の質問テーマにしたい。

次に当市の強みは何か。なんといっても「利便」である。利便とは単に買い物が便利ということではない。大型ショッピング施設に周辺市民を呼び込んで「賑わい」を創出しているということに他ならない。大型ショッピング施設が繁盛すれば、従業員が増える。従業員が増えればたとえば食事、たとえば衣類、たとえばたばこと消費が増える。その消費のための店が増える。店が増え従業員が増えれば人口が増える、人口が増えれば住宅需要が増える。それがさらに「賑わい」を呼び込む。そんな経済原則に沿った循環になる。                     私は、この利便の維持こそ当市の生命線だと認識しており、行政の様々な施策を期待している。そのなかで、プレミアム商品券の発売を高く評価する。過去何度かの対応で、どれだけ潜在需要を顕在化したか、大手のショッピングセンターがどれだけ感謝したかを調べてみて欲しい。できれば金額を増やして果断なくやって欲しいし、券の販売対象を周辺市の下松買い物大好き層にも拡げて欲しい。        また、公共交通網整備についても、商業施設側は期待が大きいと思う。早期の対応をお願いしたい。                             和田に住む方から久米に抜ける道の整備を要望された。下松市民が久米の新施設に買い物に行こうとするニーズは止めようがない。               現在の当市の繁栄の基盤が、先人の西友誘致に端を発した利便や賑わいにある限りこの利便と賑わいを永遠なものにするための不断の努力が行政運営の最重要課題であると考える。

次は富裕度、財政力。                           A表の住みよさランキング指標の中で、富裕度⑪⑫⑬の3つの順位の平均は171位にある。また、住みよさランキングとは直接関係しないが、都市データーパックの財政健全度は155位となっている。                   いずれも大した順位でないように見えるが、上位は茨城、千葉、埼玉から、東京、名古屋、大阪、兵庫までの、現在日本の核地域の都市が占めている。財政健全度を地方都市だけ限定してみると上位から11番目、西国では7番目に位置する。貴重な順位であると受け止める。                                                                             

この都市データーパックに基づき財政、富裕度に関してさ らに2点。ひとつは壇上でも申し上げた住みよさランキング30位の中での「人口一人当りの市税収入」の順位である。B表の4の当市の15位の前に並ぶ14市のストーリーを確認いただきたい。誰もがうなずく際立った理由のある市に並んで15位に位置している。これは特筆されると思う。                                                          

もうひとつは、人口対職員数比率である。これは、人口が多ければ数の論理で比率は左右されるので、人口5万人台の都市のみ対象として取り上げ分析してみた。人口5万人台の都市は全国に77市あるが、その中で当市は25番目に「人口千人当りの職員数構成比」が低い都市になる。順位はともかく、この77市の平均値と比較すると、当市は平均より158人も職員が少ないという計算になる。158人である。158人の職員の社会保険料負担他を含めた人件費はいくらになるか。もし今より15億円も人件費が多い場合の財政運用のしわ寄せはどこにくるのだろうかと想像をめぐらせてしまう。

最後にトータルでこのランキングをどうみるか。3つの視点で私なりの見解を申し上げたい。1は首都圏集中のメリットを得ない遠方地方都市は、快適度や富裕度の指標を主体にランクアップが難しい環境にないか。これは、選択指標が都会傾斜しているとも言えるし、このランキング指標に偏りがあるという観方もできようが、つきつめれば都会と地方の格差を明示しているといえよう。そんななかで、当市の西日本一番という順位は貴重ではないか。

次に、人口が増えれば係数が悪くなるという矛盾がある点。いくら住みよいといっても人口が大幅に減少しておれば住みよいといえるかという観点でベスト30位の街を人口増加率で並べると(B表の②)14位になる。また、北陸三県30市のうち14市がベスト30位以内となっているが、そのうち13市は住宅充実度が100位以内となっている。これらの市はこの指標だけで上位にランクされたとうらみ事を言いたくなる。そこで住宅充実度を除いたランクを単純合計した別紙B表の③をみると当市は11位にランクされる。加えて、このランク30位のなかで先ほどのB表4の「一人あたりの税収」は15位になっていること。

私は、これらの14位、11位、15位が当市の住みよさの実態ではないかと勝手に思っている。また、この地方都市では対応難しい指標の中で、西国一にランクされている点を考慮すると、当市が日本一のレベルの住みよい街であるという自覚をもっている。

来年度に向かって急なランクアップは難しいと判断されるが、市民にこのランキングが示す住みよさに誇りと自信を持ってもらいたいと思っている。