9月の一般質問では「住みよさランキング」を取上げました。ごくさわりを記載します。
今回はなんと、前回から23位もランクアップしトップ10となりました。815市区中10位というのは『ああそうか全国10位になったか』と流してしまうような軽いできごとではありません。先輩議員の言葉を借りれば〝昔なら市民総出の提灯行列〟があってもおかしくないレベルの、誇りある快挙であります。以下4点。
1はこのトップ10の価値に関して。
㊀ 別紙Aの❷㋑にベスト15の市区を示しています。この内訳をみると、北陸が7、首都圏ほかの大都市圏域が5、そして残り3市が5位の倉吉市、10位の下松市、12位の長野県駒ケ根市、となっています。国民の多くが、名前も場所もはっきりしない地方都市の3市が15位以内にランクされるには普通でない何かがあると思われます。
㊁ 私なりに住みよい街の基本中の基本要素をふたつ・・・そうでなければ住みよさランキング上位の価値がないという数値をふたつ。ひとつは市民に安心感を与える財政の健全度です。安全をより保障するインフラ整備、災害時の緊急な対応、弱者へのより手厚い補助、他市に負けない教育や文化水準等々、これらの行政対応は、硬直した財政では限りがでてきます。今回の住みよさランキングで取り上げられ財政に関する指標は、A表➊のランキング表の№.6の財政力指数でありますが、A表❷の㋺のとおりランク15位以内のうち本市は東京都の2区を除いた13市中5番目に位置しています。敢えてふさわしくない表現をさせていただくが・・・『財政力に余裕がなければ住みよさもくそもない』というのが私の見解であります。
㊂ もうひとつの基本の中の基本、現在の地方行政の最も大切な課題は何か、それが人口の維持であることに異論はないと思います。今回の住みよさランキングで取り上げられ人口指標は15の転出入比率であります。計算は転入者数割る転出者数ですが、A表の❷の㋩に示すとおり13市2番目に位置しています。市から出る人が入る人より多い=住民に見捨てられた状況の街なら『住みよさもくそもない』というのが私の見解であります。
2は本市の上位の項目に関して2点・・・A表➊。
㊃ №1の全国5番目に安い(ランク上では全国1番)水道料金。B表❹の㋑は水道料金のランク1位の5市の「水道経営比較」です。ここで注目するのは、有形固定資産原価率と管路経年比率が5市のなかで最も高いことであります。この数値は、類似団体平均と比較しても見劣りがする数字になっています。
表面的な観方をすれば(この表の自己資本構成比が示すとおり、財務状況は全国トップレベルでありましょうが)上位ランク他市は低料金設定の中でも管路の更新を続けていますが、本市に限っては低料金のために管路更新に廻す金がないというような、うがった見方も成り立つようみすぼらしい数値ではないでしょうか。ともかく、水道事業は市のインフラのベースになる、市民に安心を与える重要なポイントであります。たとえ市民に不興であっても、たとえ住みよさランキングがいくらか低下しても(これはナンセンスですが)、将来とも健全な水道行政が維持できるような対応が必要ではないでしょうか。
私はB表❹の㋥に料金改定策をシュミレーションしていますが、市民の了解を得られそうな無理のない県内2番目に安い岩国市並みの水道料金への引き上げ対応だけでも、年間で2億円、10年間で20億円という価値ある資金が得られる計算になります。そして、それは経済原則のとおり、より早く対応するということでより価値が増すのであります。市民の安心のために早期の安全対応を期待するところです。
㊄ №.3の「20~39歳女性人口当り0~4歳児」は皆さんの認識を問いたい・・・全国27番目のいう順位がつくほど、言い換えれば〝日本一とも云える子育て環境〟が我が街にあるという事実に認識があったかということです。
保育料の2人目からの無償化、民間依存による保育施設の充実、子育て支援センターの設置、ママパパアプリの導入や学童保育の充実、市はこの部門に他市以上に強い施策をうってきた・・・子育て部が独立して数年、行政が他市以上の子育ての環境整備に選択、集中投資をしてきた結果でありましょう。殊に「子育て支援センター」の設置について、妊婦の交流という面で有効であった・・・他市からの若い夫婦の転入者が多い本市において、妊婦の情報不足の不安解消のとしての役割、さらに、この交流を通じて2人目以降の出産に自信もてるようになる。さらに、さらに、住みよさランキングがらみでいえば、この情報を聴いて、下松で子育てをしようと他市からの転入者でてくるという副次効果ありそうです。
3は本市が解決しなければならない下位順位の項目に関して2点。
㊅ №.20は「老年人口当たりの介護施設の定員数の割合」ですが・・・この定員数は特養と老健のみの数字であります。毎年の問いかけでは、他のケアハウスや有料老人ホームでの対応でまかなっており実態として問題ないという答えが返ってきます。以前の保育所不足のような問題に顕在化していないのは議会の質疑を通じても窺えますが、実際に問題はないのか、致し方なく他市施設に流れているような実態はないのか 。なんといっても780位といえば最下位に近いランク・・・検討の余地がありはしないでしょうか。
㊆ これは下位ランクとまでは言えませんが№.12の交通事故件数 。このように出入りの多い街にあっては、ある程度の件数は致し方ないという見方をしてきましたが、ランク420位といえば、田舎の地方都市としては多めではないでしょうかB表❽のとおり、20年中の前年比較では周南市よりも、光市よりも、県平均よりも、全国平均よりも減少比率が低い状況にあります。市民の協力を得ながら様々対応をしていることを十分認識しながらも、さらに何か特別な仕組みを模索する必要はないでしょうか。せめて№.8の刑法犯認知件数の279位になればと望みたいと思いますが。
最後に4としてよく言われる「市民に住みよさの実感があるか」という点。
別紙A表の❸は周辺市の市民アンケート結果の比較であります。
まず❸の㋑住みよさの満足度の肯定回答・・・肯定回答とは満足+やや満足の合計、否定回答はやや不満、不満の合計と解釈いただきたいが・・・下松市の肯定率は5市で最低というランキングとは相反した数値になっています。
しかし、これをさらに分析してみた結果、市民に住みやすさの実感が窺える
4つの観点を指摘したいと考えます。
まず、否定率・・・㋑の否定の数値は5市では最低になっています。この否定率とは㋺の我が街に愛着を持っているか、㋩の住み続けたいかの質問でも最低数値になっています。全否定する回答が少ないとも云えますが、どちらともいえないという曖昧回答が多いとも解釈できます。
ふたつめ、住みやすいから、愛着があるから、それなら住み続けたいかという流れが、ずっと暮らしたいかという㋥の問いでありますが、本市の肯定率が最も高くなっています。他市の回答では住みやすいと思っても、我が街に愛着があっても、それが住み続けたいに結びついていない。これをどう解釈すべきでしょうか。
みっつめの観点は過去からの推移であります。㋭の住みやすさに満足度の問いかけでは、09年、14年、20年とどちらでもないという曖昧回答が肯定の回答にシフトしてきて11ポイントも良化していることが判ります。全国的にもあまり例がない上昇トレンドではないかと思いますがどうでしょうか。
極めつけは4つめの嬉しい観点、㋬の中高生アンケートであります。卒業後も住み続けたい、市外に出ても戻ってきたい、条件次第ではUターンをしても良いまでの肯定的な合計は23年前比較8.8ポイントも良化しています。加えて、[戻りたくない]=全否定の回答は、18.0%から8.7%に半減しています。こんなまちは日本にひとつもない、多感な中高校生が故郷を否定している割合が1割以下の8.8%というような街がほかにもあるでありましょうか・・・ぜひ調べてみて欲しいと思うような高揚感を覚える数値であります。
最後に・・・トップ10は下松市民の誇りと思える順位です。この価値を市民に知らしめることで市民に『くだまつ愛』を醸成して欲しい、そのためにあらゆる手段を講じて欲しいと思うのです。
議場では・・・『笠戸から米川までの市内5ケ所で大みそかに花火を2発打ち上げて欲しい。1発目は「住みよさトップ10を祝賀する」という意味合いで。2発目は「コロナを打ち払え」という意味合いで』・・・と提案しましたが相手にされませんでした。ウー残念。
以上・・・長文おつきあいに感謝です。