日別アーカイブ: 2018年9月16日

9月議会で「省く」をテーマに質問しました。

参照ブログ資料
今回は、現在下松市が取り組んでいる「第4次下松市行財政改革推進計画」を取り上げ「行政が省く」ことをテーマで質問しました。
当市の現状を市民に「知らしめる(もちろん支配者目線でなく、知っていただくという視線)でふたつのデーターからアプローチしました。          
まず「地方自治体公会計制度」。                      各市が総務省の統一基準で発表している財務書類をみると、各自治体の将来世代の負担という側面での厳しさが浮きぼりになり暗い気分になります。
以下4点は企業会計と比較しながらの私なりの解釈です・・・(私の見方に反論があればお知らせください)。
㊀企業は廃業する時点で資産を売却して資金化することが可能。しかし、行政組織は永遠で、廃業も縮小もできない。事業用資産、市庁舎や公民館や道路は売れない資産である。売却可能資産も多少はあろうが、当市の公共資産630億円は、(別紙資料A-1を参照ください)ほぼ資金化することができないものであろう
㋥企業会計では資産購入後の値上がりで含み益が生じる。行政においても大昔から持っている土地には簿価1円というものも多く、含み価値は相当なものであろう。しかし、その土地が売却できない資産である限りどうしようもない。含み益を手にすることはできないのである
㊂さらに、公共資産は老朽化すれば再構築を迫られる。たとえば、学校統合により校舎の土地建物を民間に売却できた、施設運営が国や県に移行した…そのような希なケースを除けば、必ず再構築の資金が必要になる。当市の16年度末の償却資産累計額751億円であるが、この751億円は将来必ず必要になる資金の塊ということになる。しかし、表面上は隠れている。よって、現在の負債額230億円にこの751億円を加えると1000億円近い金額が将来世代の負担になるという恐ろしいことになる
㊃また、公共資産に換価価値も含み価値もないということからして、純資産は大雑把に…『投資+流動資産-負債額』という計算になって、16年度では純資産と呼べるものは、表面+485億円であっても、実態は145億円の債務超過状況にあるといえないか
以上、将来負担という側面でも、純資産という側面でも、この貸借対照表は、数字そのものは正確であっても、実態という観点では大幅な劣後があると私は受け止めます。                                  当市の場合、純資産が負債の2倍あるし(A-2-㋥)、資産の老朽化率も高くなく(A-2-㊂)、『負債+減価償却累計額』の約1000億円も税収の10倍程度と、財務バランスは全国平均以上のレベルでありましょうが、将来世代の負担という観点でみると、資産の再構築負担に関しても、純資産の実態に関してもむしろ危機的な意識をもつのです。
一方、東洋新報社発行の都市データーパック中の「住みよさランキング」においては、今回も近隣市町を圧倒する価値ある30位を堅持しています(B-19)。 また、ランキング順位項目を含めてこの都市データーパックが並べた70余りの指標のワースト8をみてみると(B-18)、①自覚のないもの=折り合いがついているといえるもの、②むしろ順位が低い方が今後の展開が楽なもの、③確かに前年度は落ち込んだが17年度決算では既に回復してきているものばかりであります。極端にいうと・・・当市には悪いものは何もない、すべての指標順位が全国の平均以上にあるありがたい市だと位置づけられないでしょうか。
なお、「人口一人当り製造品出荷額(B-16)」が全国1位にランクされています。全国1位という順位はどれだけ貴重か…さすが“モノづくりの街”を標榜しているだけのことはありますね。      
ともかく、この都市データーパックの様々な指標順位をみると、政府の政策が行き届いていない西国の都市の中では、当市に飛びぬけて高い住環境が認められると結論づけられませんか。
以上、公会計と住みよさランキングを説得材料にして、この当市の厳しさとありがたさを市民に知っていただく、そのことで、市民に「次の世代にツケを残さないための我慢」を求める・・・そんな施策を実行してはどうでしょうか。
 
さて、当市のこれまで4次の行財政改革は歳出圧縮累計14億円と高い実績をみせています。これを将来世代までの30年間積み重ねると、400億円のなかったかもしれないカネ生み出したことになります。もちろん、こんな単純なことにはなりませんが、人件費の圧縮をはじめ当市の他市を凌駕する真摯で健気な対応に拍手を送りたいと思います。
しかし、まだまだ観点を変えれば様々な合理化策があるはず。私が提案した案を列挙します。
①税徴収に口座振替の推進→納付書確認の管理コスト減少、②行政に関わる発行物の50%メドのスリム化、③街路樹の撤廃と自転車専用レーンの設置、④大字表示撤廃と住居表示変更の推進(A-12)、⑤選挙看板設置数の圧縮(Aー11)、⑥周辺市との協調→共同システムを活用したレセプトの三市共通化…等々。
併せて、当市の財政において唯一の弱点ともいえる(A-2-㊃、㊄、A-3)市が自らの資産を活用して収入増をはかるという観点に対して、「稼ぎ方改革推進計画」を策定して、行政をあげて知恵をしぼって対応して欲しいと思うがどうでしょうか。
 
以上、上記②のとおり「市の発行物を現在のボリュームの50%」を合言葉にスリム化したらどうかと提案した手前・・・今回のブログは通常の半分の長さになりました。自分のスタイルを貫くという強がりをやめて、捨てる意識をもてば…やればできるのですね。