日別アーカイブ: 2016年9月17日

9月議会で「下松駅のエレベーター設置」について「住みよさランキング18位の評価」について質問しました

 

 住みよさ資料
9月の議会で表記のテーマで一般質問を行いました。JR下松駅のエレベーター設置に関連する私の提案については「面白いけれどハードルが高い」との答えでありました。住みよさについては「下松市はすでに日本のトップレベルの住みよい街ではないか」という私見を主張をしました。長文になりますが、ぜひご一読いただいて、ご意見をお聞かせください。
下松駅のエレベーターは4基のうち2基は全額、残り2基は3分の1市が負担する案があると聞き及びますが、私が専門家に問い合わせたところ、躯体工事を含めると1基当り1億円が必要だとの話でありました。4基なら約2億7千万円になります。そこで、設置コストの軽減策を提案したい。                  ホームは現在の北側に一本化する。ホームの西の端あたりに隣接して南北踏切を設置する。ホームに登る入口に改札口を含めたコンパクトな駅舎をつくる。これならエレベーターは要らない。これは下松駅が貨物車が停車しない駅だからこそ発想できたこと。こうすれば設置費用の軽減だけでなく、南側の現ホーム付近に余剰地が生まれ、様々な活用が可能となり夢が広がります。また、駅付近に踏切があれば駅南北の行き来が活発になります。                      しかしながらJR側にはホームをひとつにしたり、踏切を新たに作ったりすることができない多くの理由があるのでありましょう。               ここからは交渉ごとであります。次のような相手側が喜ぶ条件を示したりしてでもJRに訴える交渉をお願いしたいと考えます。               1.現駅舎の解体、新駅舎の建設は下松市が負担する、           2.花岡駅、久保駅を下松市がJRに代わって新築する(保育所や老人集会所、理容や美容の店、学習塾等を併設することもできる)同僚議員が提案した久保駅のトイレも直せる、                             3.花岡駅、久保駅周辺の遊休地を市が買い取る(線路を整理すれば相当な空き地が生まれる)、                              4.市道の踏切のいくつかを市が地下トンネル工事する、                      5.市を挙げて「公共交通機関利用促進」をねばり強く推進することを約束する、 いずれもJRも行政もそして市民も「三方良し」でJRも検討してくれると思うが・・・こんな交渉をお願いできないでしょうか。
2番目。東洋経済新報社発行の「都市データーパック」16年版おいて、当市は住みよさランキング18位となりました。過去3年、17位、22位、20位に続く18位、安定して上位に位置した流れの中での快挙となっており、うれしい限りであります。市長は常々『住みよさを実感できる街づくりをすることで住みよさ日本一をめざす』と訴えておられますが、私は当市が日本一かどうかはともかく、既にトップレベルの住みよさを確保していると受け止めています。         もちろん、当市にも他市同様、乗り超えていく必要のある課題は山積しています。『日本一の住みよさなんかどこを探したらあるのか』という市民感情も一部にはあるかもしれません。満足したら進展はない。過去を振り返るものに未来はないとも言います。                                しかし、しかしであります。険しい山に登っていく途中に、少しの時間これまでの足跡を振り返ってみることはどうでしょう。振り返って見渡してみれば麓に、すがすがしく晴れ渡った風景がある・・・そんな認識をもつような機会をもっても良いのではないでしょうか。そのことが市民の誇りに結びつくのではないでしょうか。市民憲章を読み上げるときに意識が違ってくるのではないでしょうか。     そこで、今回の一般質問は当市のこれまでの足跡をデーターで振り返ってみたい。そして市長の言われる「活力ある住みよさ日本一のまち下松」を実感して欲しいと考えます。
最初に住みよさを下支えしている3つの地理的要素に触れたいと思います。   ひとつは、人口密度が626人。これは山口県では1番です。         ふたつは、実質、孤立した島がない点。全国の海に面した市町で、離島を所有していない団体がいくつあろうかということ。これは行政上、経済上大きい要素と思います。                                  みっつは周南三市の真ん中に存在するという立地です。別紙1-③-(4)に下松市に住んだり、勤めたりする人の合計が、人口比で県内で一番高いという数値がでています。これは下松市が住居地としての役割と就業地の役割との両方備えている交流度の高い街であることを示しています。                以上、3点のいわば地理的ファンダメンタルズの恩恵の中に当市は存在しているということであり、これは住みよさに大きく関わってくると考えます。
次に、観点を変えて、私が下松市の魅力を感じる点、下松に住んで良かったと感じるところを4つあげたいと思います。                    1.私が当市に移住してきた30年前の話。美祢市に住んでいた父は笠戸島で海に沈んでいく夕日を観て『こんな夕日は満州でも見られなかった。お前は良いところに住んでいる』と跡継ぎを放棄して下松に家を建てる私に納得していなかった父が喜んでくれたこと、2.米泉湖で他の場所では見られない句碑を一つひとつ読みながら散策する中で『曼珠沙華 湖底に咲いた 頃のこと』という句が胸に迫ったこと、3.住民票が必要で市民課の窓口に行ったときに、担当の方が泳ぐようにカウンターまでやってきて、あっというまにテキパキと処理してくれたこと、5.魚の品種改良によって世界の食育に貢献する栽培センターを持っていること。それを6億円以上かけて機能強化を図ろうとする当市の意気込みや財政状況に感謝。遠足で来た小学生の何人が魚博士になってくれるかを楽しみ・・・          多くの知人にも聞きました。                       5.人知れずボランティアに従事するなど自分にあった役割を自然にこなす人が多い、6.人を大切にする風土がある。人情が厚い、7.水資源が2つのダムで確保されており、低廉な価格がありがたい、8.自分が住んでいる周辺市と比較しても親のいる下松市は心配事が少ない、9.ほしランド、きらぼし館、スターピア下松の施設が借りやすく、使い勝手が良い、10、図書館がきれい、本が揃っている、駐車場が整備されている、何より職員の対応が良い、11.行政と議会が両輪の役割を果たし、市民の希求する最善の策を選択し履行している。市民の声が反映されている・・・。                              最後の11は少しヨイショ気味ですが、これらはいずれも多くの市民がある程度実感していることと思います。皆様には下松市に対してどんな思いがありますか。どんな点を住みよい街と評価できますか。                   昨年1月作成の「まちづくり市民アンケート」における「すみよさ満足度」では満足12%、まあ満足43%、普通が36%でここまでが91%。やや不満、不満は4%、無回答4%になっています。これが高いかどうかをぜひ他市のデーターと比べてみたいと思っています。
そこで、いよいよ住みよさランキングの分析をしてみたいと思います。    データパックにはたくさんの指標が表示されていますが、住みよさに関しは以下の5項目に大別された15指標のみ取り上げています。順位の良い方からアプローチします。                                 まず利便度(別表2-1)。当市はこれが前回7位、今回13位と超高順位にあります。この利便度が当市のランキングを押し上げているのであります。      人口に対して販売高や売場面積の比重が圧倒的に高いということは、当市の市民が買い物に超便利な環境下にあるということだけではありません。買い物客が周辺市から流入することを示しています。賑わっているのであります。賑わっているのは大型店舗ばかりではありません。大型店舗の求心力を当てにして、飲食業や物販、サービス店舗が進出してきます。そうすれば雇用の場が続々生まれる。周辺市からも下松市に勤めに来ることになる。そうした相乗効果でさらに賑わいは増してきます。                                   ここで指標化された利便度とは、賑わいを生む力、賑わい度だと解釈します。当市はその賑わい度が全国トップクラスであることになります。          ではなぜ当市に大型店舗が集中して進出してきたか。まず先ほどの周辺3市の中での立地、ふたつは住居と勤務先の両方を備えた人口交流度の高さ、みっつは道路の整備と核テナント誘致に尽力した行政や市民の努力でありましょう。住みよさの一番の要素である利便度が高いことには理由があるのであります。
そこで主張をさせていただきます。我々にはこの賑わいの源である「大型店舗をつなぎとめる諸施策が必要」になってくるということです。           前回のプレミアム付商品券に関するアンケートの報告書に触れます。アンケートでは、1.全体で40%の方が買い物店舗に変化があったと答えている、2.市外の方が23%も購入している、3.店舗のうち20%以上が売り上げが増えたと受け止めている、4.購入者も店舗も継続した対応を望んでいる・・・とあります。これらはこの商品券発売の試みが大成功であったことを示していると考えます。  報告書の中では「中小型店が店舗面積以上に換金率が高い」と特に表示されています。プレミアム付商品券が中小小型店に役立っていることを訴えているものと思います。中小企業育成が使命の商工会議所の立場として、この対応は妥当なものと考えます。しかしです、西友が進出してきて30年になりつつあります。当市の「利便度」、私なりに言うと「賑わいの創出」はここから始まったと思っています。一方、地元の商店はその後の他所からの大型店舗のあおりを受けて事業を休止したところも多い。しかし、その後30年を経過したのです。事情は変わってきていませんか。このプレミアム付商品券発売に関するだけでなく、行政は従来から地元業者重視のスタンスを変えておりませんが、それはそれで尊重すべきことと思います、そろそろ仕組みを見返してもよいのではないでしょうか。なぜなら、現在の地元業者は大型店舗の賑わいのなかで、加えて大型店が雇用した従業員も相手に商売している、言い換えれば共存して生きているのではありませんか。            周辺市に大型店舗が2店相次いで開店します。山口経済研究所が毎年発表している「周南市民がよく行く商業地アンケート調査」があります。2006年度と15年を比較すると(06年はまだ新南陽のイオンタウン周南が出店する前)、ザモール周南は23.5%から17.3%に、サンリブ下松は11.1%から10.2%にそれぞれ大幅に落ち込んでいる、両店で7%も落ち込んでいるのであります。 今回の新店舗の出現することが引きがねで核店舗のひとつでも撤退したらどんなことになるのかは、近鉄松下の例をみるまでもありません。                 市内の核店舗に存続してもらう施策を打ち出しながら地元店舗を守る、他所からの資本を大事にする、そんな方向転換をすべき時期ではないでしょうか
次回のプレミアム付商品券と「交流度」や「賑わい度」に関連してもうひと話。プレミアム付商品券の販売対象が下松市民と下松勤務者に限定されています。下松市の税金を投入するからには下松市民の恩恵を一番に考えたという理屈は理解できますが、これまで述べたとおり下松は他所からの流入によって賑わっているという特性が、強味があります。他所から来た人がプレミアム付商品券の魅力でお金をより多く下松市内の店舗に落とすことで当市はパワーをいただくのではないですか。  今後も可能な限りプレミアム付商品券発売を続けてほしいし、他所からの買い物客をより大事にしてほしいと思う。要望します。
住みよさ判断指標の2番目は快適度(2-2-2)です。           ここでは④の都市公園面積指標が553位でランキングの足を引っぱっております。しかし、米泉湖はあるし、笠戸島は全体が公園と思って良い、孫とブランコに乗れる公園もいくらか歩けばある。さらに、周南緑地公園や冠梅園等、周辺市の魅力的な施設も身近な存在である。私的にはこの項目が不良であるという認識は低いのですがいかがでありましょう。                         ⑤の転入転出人口増減率(社会増)、⑥の住宅着工件数は今回の指標対象の13年度以降も順調で、今年度3戸のマンション建設も含めて人口増の流れは維持できる見通しと認識します。
3番目の項目は富裕度、つまり財政状況です。                この指標は別紙2-3の⑦~⑨の3つだけが対象ですが、他の財政指標も別紙6     のとおりほぼ県内一位の優良な順位となっています。もちろん地方交付税の不交付団体も76団体あって、上には上がありますが、30年住んできた市民の一人として、これまでの井川市政のかじ取りに敬意を表したいと思います。
4つ目は2-4の安心度、これは考えさせる指標ばかりです。        ⑩や⑪は県内最低です。病院も、老人施設も充実することがベターですが、しかし、市民はどれだけの不自由を感じているでしょうか。周辺市の施設を含めて、ある程度折り合いをつけていると言えるのではないでしょうか。        ⑬の保育園は710位と最下位ランクです。市もあらゆる努力をされていますが出生率の高さが続けば追いかけっこになるかもしれません。          いずれにしても、この項目の⑩⑪⑬の指標は当市の弱点を示しています。言い換えれば周辺市への依存度の高い指標といえます。ことに⑬の待機児童の問題は当市の最大課題であると認識されています。そのことは、逆に、改善しだいで今後順位が上がる余地が大きい指標だとも言えると思います。            ⑫の出生率は全国73位、県内では断トツ一位です。なぜか、資料7のとおり有配偶率が全国レベル以上、離婚率が低い、所得が多い、これらの要素が積み重なったものなのでしょうが・・・よく判りません。ともかく、0歳から14歳までの年少人口増加率が県内他市はすべてマイナスの中で当市だけ5.9とプラスになっています。若い人の人口が増えるそのことが、当市の住みよさを証明してのかもしれません。
5つめは2-5の住宅水準充実度。                     これが最も不良で、順位は500番を超えています。しかし、⑭の住宅面積や⑮の持家比率はどうしようもない。美祢や長門のように代々住み着いている層が主体の街と、マンションやアパートがどんどん増える地域とは数値の比較にならない。これらが果たして住みよさを示す指標として正しいかと主張しても大人げないのでやめますが、もしこの2指標が他のそれらしい指標に変更されたら、それだけで下松市の順位は確実に上昇します。ともかく、この項目は市として改善のしようがない、改善の努力が必要のないものと受け止めていますがいかがでしょう。
以上を総括してして18位の価値を6つ指摘します。            1.ランキング上位うち関西以西は20位の草津と当市のみ。つまり下松市は関西以西のトップということになる。関西の市の全国の市区に占める割合は38%もあるなかで2市ということは、西日本の市が上位にランキングされることが難しいことを示している、                            2.富裕度が高い、つまり財政状況が良好な順位をランキング上位20市でならべてみると、愛知県のトヨタ城下町3市や、千葉の成田、茨木のつくば等それらしい名前の交付税不交付団体が上位に並んでいる。そんななかで当市は9位に位置している。当市はこれらの団体ほど圧倒的な何かを持っているわけではない。それなのに9位なのである、                                3.ベスト50位のうち北陸3県の合計は18市、30市のなかで18市、これらの市が街づくりに熱心なことは伝わってくるが住宅充実度で稼いでいるのである。人口は減っているのである。あの眼鏡で目立つ福井県鯖江市は住みよさランキングで6位の順位であるが、宅環境充実度を除けば下松市の方が上位になる。     4.類似規模団体の44市のなかでは住みよさ順位が2位。同質の街の中では最優良といえる、                                   5.山口県内では柳井市が59位でこれが唯一100番以内、県内で比較する相手がない、                                6.ランキングの指標のなかには、住宅充実度のように、改善のしようがない、改善する必要がないものもあるし、病床数や公園面積指標等、周辺市との関係で折り合いをつけているものもある。                       そんな中での18位なのであります。当市の18位が実はトップクラスであるという私の主張はご理解いただけると思います。                 住宅着工、出生率、社会人口と今回の指標対象年度以降の実数値に衰えがないし、最弱点の保育園への対応も進んでいくものと思われ、今後の住みよさランキング順位も大きく変動がないのではと推定します。
最後に、                                 以上、当市の住みよさがトップレベルであることを訴えてきました。特別当市の優れたところばかりを取り上げたわけではないことはご理解いただけるものと思います。そんななか、このデーターパックの指標をみて、行政に対応していただきたいことを3点だけ申し上げたい。                       ひとつ、周南3市の協調です。この議場のお一人に「当市の住みよさは何ですか」と問いかけたところ、「どんな施設に行くにも30分以内でいける」との答えがありました。それはこれまで取り上げた病院しかり、公園しかり、保育所しかり、さらに野球場、サッカー場、美術館等3市にまたがっての施設の存在です。3市が協調の知恵を出し合うことで、より合理的な対応ができるというものでありましょう。ふたつは、市内の大型店舗、ことに核になる店舗との協調であります。行政としては難しい舵取りになるかもしれませんが、転換の時期と考えます。    みっつは、今回最も強調したいこと、この住みよさランキング18位の上手な広報であります。住みよさの実感は、住みよさを示す事実を知ることから始まるのではないか。そしてそこから下松市民としての誇りが生まれてくるのではないでしょうか・・・そう確信しております。
日本のトップレベルの住みよい街をつくっていただいた永年にわたる井川市長はじめ行政の皆様の選択し集中してきたこれまでに改めて敬意を表したいと思います。今回の一般質問では、私以外の14人の皆様から様々な分野に関して価値ある提言がありました。ぜひともこれらの提言、課題に前向きに対応していただき、さらに充実した住みよさを実現していただきたいと思うます。