2月議会の質問②下松市栽培漁業センターの価値に期待する

下松市栽培漁業センターのリニューアルに関して、「その価値に期待する」と題して質問しました。栽培漁業センターについてご理解と、ご支援をぜひともよろしくお願いします。併せて、大城に行かれましたか。時間を忘れる眺めですよ。今は河津さくらの盛りです。納得していただけます。

 

私は栽培漁業センターが漁業振興という側面はもちろん、観光資源として今後の下松市の賑わいのための重要なファクターになると考えて計画に賛成します。ニューアルに6億円以上をかけること、また、今後も市から毎年20百万円、4年後からは12百万円程度の拠出金が予定されていることから、財政面での負担増が懸念されています。もっともなご指摘であると思います。そこで、この6億円の投資の額について別の観点で考察をしてみたいと考えました。             全投資額を建屋や設備等の一切合切の寿命を平均30年(現在の栽培漁業センターは建設後34年経過しております)、つまり30年たてば三度目のリニューアルが必要と仮定して30年償却すると、毎年の償却額は20百万円になります。この償却20百万円に4年後からの年間の拠出金12百万円を加えて合計32百万円。今回の栽培センター6億円の投資と今後の維持費を総括して年間換算におとせば、市の負担は毎年約32百万円程度ということになります。そこで、この初期投資6億円、年間換算負担額32百万円について、①それだけ金をかけるだけの価値や効果があるかという点、②少しでも財政負担軽減する仕組みはないかという点、③観光施設としての波及効果は、この3つの視点で考えてみたいと考えます。
まず、①6億円かける栽培漁業センターそのものの価値や効果についてです。私が考えたこの施設が生み出す価値を列挙します。              (1)売上げや諸収入の大幅増加は間違いないでしょう          (2)事業の拡大にともなう仕入れや経費、諸払いにおける市内業者の商売機会増(3)従業員の雇用機会の創出                       以上はこの施設が生み出す直接的な経済効果と言えましょう。       (4)来館者の日本の食糧事情把握や魚から観る生態系の認識という教育効果(5)魚食文化=魚を食べる文化に関する普及効果            (6)学童が来館をきっかけに漁業に興味をもち、魚業の担い手が生まれること、同様、夢物語であるが、一人でも「魚博士」が誕生することの期待         (7)稚魚の栽培や養殖の新たな手法の発見効果、新種の開発につながる効果(8)稚魚の提供による多市町への貢献するという価値            (9)我が街にはこんな他市に貢献できる施設があるのだという市民の誇り (4)から(9)はいわば当施設の持つ社会価値というものでしょうが、私はこの社会価値を経済価値、つまりお金に換算する方式はないかと考えて、その道の見識者の何人かに聞いてみましたが納得できる答えがありませんでした。魚博士が誕生したり、魚の栽培方法の開発や養殖技術の進展は明らかに経済効果を生み出すと思うのですが、量ることが難しいので、ここでは栽培センターの充実は大きい社会価値をもたらすというところにとどめておきたいと思います。          なお、先ほどの夢の話に、最近聞いた嬉しくなる2つの話を付け加えます。   訪問した久山所長から『見物に来た生徒に漁業という職業に興味をもってもらえるように、魚の現場だけでなく、事務所や従業員のたたずまいまでに説得力をもたせたい』と嬉しい話を訊きました。                      もうひとつ、これは市職員の方の高校の息子さんのこと。『小学校の時に栽培漁業センターを訪ねて魚を育てること興味を持った。現在もその志は変わらず、水産生物化学の大学を目指している』とのさらに嬉しい話でありました。
次に、二つ目の視点として、財政負担を軽減する方策についてです。しぼった限りの知恵を列挙します。まず、当初の投資負担の軽減のために、       (1)国や県の補助金はどの程度期待できますか             (2)稚魚を提供する他の公共機関からの協力金は期待できますか     (3)漁業や食品の関連の会社にリニューアルの趣旨を説明して寄付=企業版ふる              さと納税も含めて寄付を募ることができませんか・・・水産関連の上場企業だけでも20社以上もある。年商50億円以上、最終利益1億円以上の水産関連事業所は全国に1、000社以上はあろう。たとえば、マルハも下関の林兼産業もこちらから話せば趣旨に理解を示してくれる可能性があるのではないか。また、水産関連という視点で探せば、水産庁の関連団体、水産大学校、また各市町の漁業組合、魚食の振興団体、稚魚や養殖の育成団体、日本食生活協会、和食文化国民会議、ほかにも板前の団体、すし屋の団体、各地にある料理士免許取得のための学校・・・この事業に注目してくれる、価値を評価してくれる企業、団体は山ほどある。ダメ元であたってみたらどうか                            (4)この事業の趣旨に賛同する企業からの地元貢献のための寄付=CSRをお願いできませんか・・・本事業は企業の地域貢献=CSRの対象として寄付に理解が得やすい対象であると思う。現に私は5社にジョブ的な下交渉をしてみたが、(下松市1社、県内2社、県外2社)いずれも応諾しても良いという感触を得た。平均25万円の寄付を200社集めれば5,000万円になるが、努力してみる手はないか                                 (5)釣り好きの市民から善意の寄付を受けることができませんか。栽培漁業センターのリニューアルへの関心は高く、漁場が豊かになることへの歓迎の賛意が得られるのではないでしょうか                         さらに、毎年の32百万円のコスト吸収策として             (6)全国の釣り好き、魚好きに「あなたのために」と使用目的を明確にして「ふるさと納税」を募ることができませんか・・・これには返礼品なしで    (7)他所に住む下松市出身者→私が主張している「ふるさと応援団」に向かって目的を栽培漁業センターのリニューアルにしぼったふるさと納税を募ることはできませんか・・・もちろん返礼品なしで                  (8)物販、つまり魚の成魚の販売を強化することができませんか       そして、最後に                            (9)施設維持費として入館料をいただくことはできませんか
別紙に来館者の勝手な見積もりをしてみると、合計試算数値は16、250人になります。入場料=施設維持費としてたとえば300円とすれば年間約500万円の収入となります。一家族1,000円の買い物をしてくれれば年間に約800万円の売上となります。来館者の20%が地元に宿泊してくれれば、お土産代、ジュース代、たばこ代等を含めて一人1万円として年間32百万円の金を下松市におとしてくれることになります。以上、努力と知恵で投資額負担の軽減策はいくらもあると考えます。
三つ目は当施設そのものが持つ観光施設としての価値であります。これにも4つの視点があります。                             ひとつは、本施設そのものが、自らの「見える化」を充実して欲しいという点。 私は小学生の孫と訪ねましたが、現状は観察するには遠い次元の環境にあると見受けました。リニューアルを機に、きちんとしたビジュアルで説明する機能を作る必要があります。シニア世代のボランティアにお願いして、説明人を常備することも必要かもしれません。小中学生向けの講義のための部屋も必要になるかもしれません。小中学生がもう一度訪れたいと思うような充実度合を期待したいと思います。
ふたつめは集客のための努力であります。                  私が周辺市を含めてアンケートした結果、本施設への理解は浅いと観ました。多くの方はヒラメの養殖場所をイメージしており、フグや高級魚についてはほとんど認知されておりません。何も行動しないとリニューアルしても現状認識から脱皮できません。                                 そこで、マスコミへの売り込みの努力が一番であります。顕著な一例をあげます。
昨年秋に広島ホームテレビで放映された「あっぱれ熟年フアァイターズ」という番組についてであります。「下松市の日本一」というテーマで夕日の笠戸島と大城、花岡八幡宮の大太刀ほかが紹介されました。この放映によって、大城は複数の問い合わせがあるというし、お菓子のほうえい堂さんや金分銅酒造様のもとにも、わざわざ広島や島根から商品購入に訪れる方がでてきたそうです。なぜ下松市を取り上げたか、きっかけはこの番組のパーソナリティを務める元広島カープの投手渡辺弘基氏と國井市長とが永年交流があって、市長の要請に渡辺氏が応えたと聞きます。こんなケースはそうは転がっていないでしょうが、全国的な旅番組(たとえばNHKの鶴瓶の家族に乾杯)や釣り好き番組、魚食振興を扱っている番組を招聘するというセールス努力を繰り返して実施していきたいものだと思います。
三つ目の集客努力はオーソドックスな地道な努力です。            県内や広島、福岡の教育委員会他にセールスをする。例をあげます。前述の水産関連団体に加えて、小中学校、県、市町村と公共団体、公民館、福祉施設、老人会、そして各地のつり同好会、料理教室…等各種団体等にセールスをする、それも知恵をしぼって、果断なく繰り返し、繰り返し行うこと。この対象に向かって、行政だけでなく、関わりあう市民がよってたかって勧誘しようではありませんか。きっと効果がでます。こんな団体メンバーなら市内に宿泊していただける率は相当高くなりませんか。
四つ目はこの栽培漁業センターと他の観光資源との相乗効果であります。    まずは大城、ハイツ、②は島の学び舎、③は日立ほかの企業連携、④は私が主張している「ふるさと偉人館」の設置、⑤は森繁議員が提案されたキャンプ場のレベルアップ、⑥はフィッシングパークの充実。また、「笠戸島アイランドトレイル」等の催し物の充実…まだまだありましょう。                  こう考えてみると栽培漁業センターの周囲には人を引き付ける、賑わいをもたらす観光資源が豊富にあることに気づかされます。「笠戸島は宝だ」はまったく的を得た言葉だと思います。ことに小中学生とその親御さんには、他所では体験できないとりわけ魅力的なゾーンとなるのではないでしょうか。栽培漁業センターとこれらの連携施設との相乗効果、つまり他所からの来場者によって、どの程度の経済効果をもたらすか・・・このことは。次回の一般質問までに考えてみたいと思います。
以上、栽培漁業センターの魅力と、そして行政として対応すべき事項を並べてきました。お金はかかるが、初期投資や毎年の経費以上の価値を創造して欲しいと考えます。                                  最後に再度久山所長の話。所長は2万人以上集客できると言われています。その大胆な見積もりの根拠は、こどもが直接魚に触れることのできる「タッチングプール」の設置にありまする。これなら幼児は大喜びするのは間違いありません。楽しいという噂は広がるであろうし、連れてきた親や爺様、ばあさまの財布のひもが緩むというものでありましょう。                       ともかく、6億円の投資に反対されている議員のご理解も含めて、本事業が順調に進展することを祈りたいと思います。

 

以上ですが・・・最後の締めとして私が最近気に入っているフレーズを付け加えました。  
                                     ある経営コンサルタントの話。「日本とはどんな国か」と訊かれて「日本人と生まれたことは宝くじに当たったような幸運だ」と。私は、「このような住みよさ実感でき、また、栽培漁業センターのような夢を語れる事業が様々取り組まれる、そんな下松人であることは西日本宝くじ当たったような幸運だと思っています」と。
栽培漁業センターに注目ください。期待してください。

 

 
 
 
進展することを祈りたいと思います。