2月議会の質問①議員報酬が安すぎる

下松市特別職報酬等審議会の答申について、議員報酬に主眼を置いて問いかけました。

 

審議会をオブザーバーで出席しました。県内他市や全国の類似都市との比較、下松市の現在の位置づけや財務内容等を鑑み現状で良いのではとの結論に至ったと認識します。
なかでは、議員は生活が不安定でなり手がない、大きく上げて良いのではないかという私が喜ぶような提案もありました。一方、議会に関わる日数が少ないことや他に収入源のある方が多いということから、市からの諮問どおり報酬を下げても良いのではとの主張もありました。                       そこで下松市の議員の報酬額、月額377千円の実額について私なりに考えてみました。
横浜市の90万円はともかく、県内最高額の下関市に対して約17万円少なく、13市の平均395千円より18千円低いという状況にあります。       市議会議員の報酬は何で決まるのでしょうか。様々な角度でみると・・・
㊀ 職員給与に関して「ラスパイレス指数」というものがありますが、下松市のそれは県内の市の平均100.3に対して100.2とほぼ平均数値であります。職員給与には各市の間に差がないのに、議員報酬に大差があるのはなぜなのか。  ㋥ 次に、26年度決算カードでみると、歳出に占める人件費構成比率は下松市が最低レベルです。人件費の削減に迫られて議員報酬を圧縮したとも思えません。 ㊂ よく市民の所得と議員報酬のバランスはどうかとの観点があります。そこで納税者一人当たりの所得をみてみると、下松市は県内13市で一番の307万円であり、平均より23千円多い状況にあります。市民所得と議員報酬は整合しておりません。                                  ㊃ 加えて、そもそも企業の役員報酬のように、その期の収益に左右される、財務状況の反映というものでもなさそうで、県内で最も良好なレベルの当市の財政状況と議員報酬も整合してはおりません。                    以上、議員報酬の基準は何なのでしょうか。県内他市比較、周辺市比較、類似都市比較だけで良いのでしょうか。
なお、問題になっている「政務活動費」に関してですが、月額20万円以上である富山市ほかの大都市の例はともかく、周南市月額2万5千円、光市2万円という状況の中で当市は1万1千円であります。これはどのような経緯から決まったものなのでしょうか。親しい知人から「本議会1回出席につき1万1千円をもらっているのかい」と冷やかされましたが、実際その程度の活動費を受けている市もある中での月額1万1千円です。この事実を市民はどう受け止めるでありましょうか。
さらに、別の観点で議員活動と報酬に関してアプローチしてみます。
まず、議員は働いていない、議会開催日の割に報酬が多いという世評についてであります。                                 これはとんでもない誤解であります。私は永年サラリーマンをしてきました。会社人は時間外も休日も仕事のことが頭を離れないとはいえ、それには限りがあります。しかし、議員は土日を含め、四六時中議員であります。誰に逢っていても、何を見ていても、情報収集、きずな作りという議員活動を迫られるような圧迫を受けて毎日を送っております。ある議員は年間どれだけ地元住民から相談を受けているでありましょうか。ある議員はどれだけ地域行事のリーダーとして存在しているでしょうか。さらに、ある議員は中央と地域との接点つくりのために何度私費で上京しているでしょうか。                                   私はこのような例とはほど遠い新米議員であります。とても先輩議員の皆様と太刀打ちはできませんが、それでも毎日の緊張度合いはサラリーマン時代とは大違いという感覚であります。                           普通の社会人には、盆や正月、公休を含めて年間に3ケ月程度は仕事から解放される休日がありますが、議員にはどれだけ全く議員を意識しない休日があるのかなと思ってしまいます。
次に、議員報酬377千円の価値についてであります。            期末手当を含めて生活費として受け止めれば、この377千円は全くありがたい金額といえます。しかし、議員は情報収集のための費用と自己PRのための活動費用が大きい負担になります。                         私は7つの新聞雑誌を購読しておりますが、議員を辞めれば2紙で充分だと思っています。私費で視察をしたことも何度かあり、自分の知識在庫になっております。人と接して学ぶことがメシの種と自覚しており、会合を厭わずやっておりますし、議員故の様々なパーティがあります。そして支持者に向かって発信することを怠ることはできません。                            議員の中に議員報酬でお金を残したい、贅沢をしたい、海外旅行にも行きたいという人が一人でもいるでしょうか。聞いたことがありません。むしろ、議員報酬以外に収入の道があるので議員をやっと続けられるというような状況ではないでしょうか。
他の人に言及する必要はありませんが、気になることをひとつ。東京都知事が報酬返上を申し出ているという報道に関して。毎日変わる勝負服を着て、美しい化粧をして、安くなさそうな装飾品を身に着けて、また会合や情報収集やスタッフの費用にも多くの金をかけているであろう東京都知事…そのカネはどこからでているのでしょうか。正業の報酬(都知事としての報酬は一番正業な報酬であるはず)を返上しても、別途に使えるカネがある、働かなくても入ってくる不労所得がある。どのような収入源か聞いてみたいと思いませんか。
しかし、議員制度でなく別の仕組みを変えれば大幅な費用減が図れるかもしれません。                                   議員はボランティアで良いと言う人がいました。たとえば、企業経営等で収入が多い人、これまでの貯えが多い人、年金収入のある人等、議員報酬に依存しなくても生活できる人を集める、いわゆる昔の“だんさん(旦那さん)”であります。   若い人や金がない人は政治家になれないという問題点はでてきますが、これはひとつの手法かもしれません。                        サークルを作って皆がお金を出し合って代表を議員に推す、これも可能でしょう。自分の意思と支援者の思惑をどう調整するのか、私的には他人のお金で活動することに抵抗感がありますが。                         選挙で選ぶ議会制度を廃止する方式。                    1.財政監査は監査委員に委ねる、                    2.様々な議案にはそれぞれ市民の諮問会議を設けて意見聴取する、      3.予算や決算についても元行政マンや有識者を集めて良否を判定してもらう、 4.地域からの要望は自治会長会議を頻繁に開催して吸い上げを行う、     5.それらを含めて行政の不信や不正な点は市民オンブズマンの指摘を受ける、 これなら市会議員はいらない、市が負担する議員報酬も選挙のための費用も不要になる。得るメリットはたくさんあります。以上のようなことに現実味があるか、私はできないことはないと思っていますが。
最期に不正議員の存在について。そもそも世間では議員は選挙の間だけヘイコラするが当選すれば威張っている、汚いカネがつきまとう、いかにも不誠実である、そのようなイメージに染まっていないでしょうか。加えて、今回の政務活動費に関わる兵庫県議の号泣事件と富山市議のデタラメナ流用の表面化であります。すべての議員が同様にみなされています。                      しかし、これらはレアーケースであると思います。少なくとも下松市の議員活動の中で公と私が混在しているような場面に接したことは一度もありません。   『不正議員を基準にしないで欲しい。議員の誠実さを認めて欲しい』とあらゆる機会に市民に訴えたいと思っています。
そんな中で、一度失敗したことを反省し、また、他市が取り組んでいる事例等を参考にして、議員が自らを律するための諸条例や取り決めを精緻にやっていくこと、二度と不正を行わない仕組みをつくること、これは重要なことであります。
地方議員に年金をという議論があります。選挙に落ちれば収入がなくなり、かかった選挙費用のみ残ります。そんな境遇の議員にどんな人が魅力を感じますか。  せめて、若い人でも志がある人が自分の仕事を投げ打ってでも政治家になろうと思える報酬レベルに引き上げて欲しいと思います。               私は議員報酬も政務活動費も不当に低いと思っています。私は、今後も周囲の不興を買おうが議員の実情と議員報酬の改善を主張し続けていきたいと考えおります。繰り返しますが、議員になって生活が楽になった、議員を辞めて金が残ったという水準までを求めているのではありません。議員活動に正当な評価をして欲しいと思うだけであります。

 

以上…こんな主張をしましたが、皆様、どう聞かれましたか。